ひょんなこと

一昨日に購入した「やさしく読み解く 裁判員のための法廷用語ハンドブック(三省堂)」1260円也ですが、これを本日図書館にてサラサラと読み流していて、94頁で手が止まりました。

94頁から始まる漫画が、
①「あー金が欲しいなぁ」で始まる
②なんか「社長の家に強盗に入ればいいじゃない」的な会話
③「オレは参加できんが、うまくやれよ」的な火付け役退出
④「お前は面が割れてるから一緒に来るな」「分け前やるから」的な会話
⑤部屋の間取りとか書いて渡しちゃうシーン
⑥強盗致傷
というもの。

これ、実は先日我々新司法試験受験生が受験した刑法の問題にそっくし。

少なくとも、当該漫画を読んで、以降の解説を少し読んで、頭の整理をしていれば、6割は貰った感じの出題だったわけで。

いやぁ、偶然って凄い。(たまたま読んでいた方がいらしたらば、幸運だったと思います。)


でも、このような話はときたま聞くのでありまして、旧司法試験時代の話ではありますが、とある受験生が日々の勉強に疲れて、大学で開催されていた講演会を聞きに行き、リフレッシュして論文式試験に臨んでみたら、出題された問題が講演会で話されていたテーマにドンピシャで、筆が流れるように走って合格したとこのと。

ちょっとした読み物を読んでいたおかげでor講演会を聞いたおかげで、ひょんなことからホームラン答案なんてのもあったりするという夢のあるお話。


これに試験委員が絡んでいたりすると漏洩問題になるのですけども、単に新発売の書籍を偶然読んでいたら該当箇所がドンピシャとかいうのは、日々の努力(というか読書習慣)の賜物な訳です。

願わくば幸運の女神の前髪を鷲掴みにできるようなラッキーマン(ウーマン)でありたいものです。

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失火責任法

たまにはしっかり法律のお話を。

今回判例時報検討会でもって担当になった裁判例が
失火責任法絡みだったからという安直な理由で採用の
失火責任法ですが、結構これで面白い立法経緯を
持ってたりするのであります。

そもそも民法の制定過程でもって激しい論争が
繰り広げられたというのは皆様の周知の事実かと思われますが、
(そりゃ今まで不文律でやってた所に法律作る→もめますわな。)
失火責任法というものもその俎上に乗ってたのであります。

失火責任法という法律名だけから読むと
「失火のときにも責任とるんだよ」とか
「失火の場合の特別な責任を決めた法律だよ」とか
その方向性になりそうなのですが、
実際は失火の場合には、よっぽどでないと賠償しなくていいよというのが
この法律の骨子なんです。

民法の原則としてよく挙げられるのが「過失責任」という原則で、
要は過失がないと責任負わないということなんですが、
失火責任法は「過失があっても、重過失でなければ免責」
という責任制限規定=失火者に優しい規定なんですね。

で、立法経緯のあたりで揉めてて面白い話というのが
立法担当者はどうしても過失責任の原則を根付かせたくて
失火責任法を作るのを拒んだのですが、
国会議員に請願がガンガン届いて
(多分富裕層からがメイン)
国会議員のゴリ押しで失火責任法を制定することになって
立法担当者的に最後の一押しで
「重過失の場合には免責しませんよー」という但書が
入ったってなもんで、すったもんだの産物なんです。

時は明治の32年。民法起草の3博士がブンブン頑張ってた時代です。

あ、そうそう、失火責任法には条文が一個しかありません。

条文名「失火ノ責任ニ関スル法律」

条文「民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス
但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス」

→民法709条(不法行為の条文)の規定は失火の場合には適用しません。
でも、失火者が重過失だった場合は適用します。


以上。これだけの法律なんですね。


立法趣旨というのもまた面白くて
「木造ばっかりでよく燃える」
「失火者だって自分の家燃えてるんだし可哀想」
「金持ちが(損害賠償で)一晩で財産を失うのはおかしい」
「失火は許すという美しい日本の慣習がある」
と。

で、時は移って現代。

まだ、あるんです、失火責任法。

だので、「木造ばっかでよく燃える」ってことはなくて
事例を重ねていますので、自分の家も燃えてるなんて例ばっかりでも
なかったり、金持ちは寧ろ全財産をもってしても賠償すべきというか
公害垂れ流して被害者に賠償しないとは何事かという
至極真っ当な意識が一般化してますし、
「失火は許すという美しい日本の慣習」は
隣人の顔すら知らない当世では失われたものとなってます。

でも、失火責任法はそのまんま。

結局失火は重過失(=ほんのちょこっと注意してれば…)がなければ
賠償しないで済むのでありまして、延焼喰らったら火の貰い損なのが
実際なのです。

なんだかな。

担当した裁判例でも損害受けた側が訴訟を起こしているのですが、
地裁で負けてあっさり諦めているあたりがションボリであります。

最高裁あたりまでガッツリ争って失火責任法の問題性を訴える…


あんまりやりたくない訴訟なのかもしれません、はい。


というわけで現代に残る不思議な法律のうちでも
実際に現役でバリバリ使われているのが失火責任法で、
乾燥肌も気になるこの季節、火の用心にもご配慮を。

個人的に火災予防には協力しているつもりの桜上水でした。

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リンク・リンク・リンク

どうも、雨の日の土曜にも朝から登校、桜上水です。

土曜なのに、雨なのにと後ろ向きっぽいですが、
曜日感覚が麻痺する生活であって
元から雨は好きなので、とどのつまり平素と何も変わらなかったりしますが。

さて、表題ですが、法律はさまざまな所にリンクしがちです。

いや、語弊があるので、ちゃんと言いますと、
さまざまな事象のなかで問題がこじれちゃっている所に
法律が登場して解決していくという流れになるので
そりゃ当然の話なんですけども、
例えば今週の初めの人権論の講義では
テーマが「全逓東京中郵事件」だったわけで、
5月2日と言えばメーデーの翌日。
しかもテーマの事件は労働大会に出ようという郵便局の皆様の行動が問題になったので
ありまして、現在の政局は郵政民営化国会。

ほんでもって今週の法哲学の講義では「司法の反動化」がテーマ。
勿論全逓事件とか全農林警職法事件とかがど真ん中なのでありました。

というわけでまぁ日常と関わるだけでなく、
過去の事件も今日とリンクしてたりしまして、
やっぱり道具ってな位置づけだけじゃなくて、
生きた道具なんだなぁと痛感させられるわけですよ。

今まであくまで勉強の科目だったはずのものが
ここまで生っぽいもんだってわかったのだけでも
法律が少し温かいものに見えてくる次第でして、
まぁなんというか面白いよって話です。

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フロム法哲学

どもー今晩のタイガー&ドラゴンの予約録画をし忘れて
なんだか居ても立っても居られない尻の落ち着かない桜上水です。

まぁべつにクドカン作品だとすぐ再放送あるって話も(違

与太話はさておき我が愛すべきロースクールには
1年生前期に選択科目が1つだけありまして
僕の場合第一希望が必修で押しのけられて第二希望の奴なんですが
お題目は「法哲学」でして、平たく言えば法の哲学、
つまり法律のあるべき姿を探求するってなもやーっとした学問でありまして
それ自体が司法試験につながるってなもんじゃないんですが
これがなかなか面白いんですよ、分析哲学っぽくて。

んで、本日のお題の「法律関連トーク」ですが、
法哲学的に日本の法曹制度を俯瞰すると
どうにもこうにも英米法系にも大陸法系にも
見られない法曹構造をしているらしいんですよ。

官僚主義的というか親方日の丸っていうか
そういう意味で。

で、英米やら仏独とかがどんなもんかって話では
やっぱり国家からは独立した、国家より上位概念の「法」ってなもんに
従って活動する比較的自由のある裁判所(司法府)ってのが
普通らしくて、自衛隊関連で違憲判決出すと首が飛ぶとか
心配しながら裁判やってる日本の裁判官とは
やっぱり本質的に違うんじゃないかと。

コペルニクス的発想の転換というか
僕らは「公務員だから公平・中立な裁判官」と
生まれてこの方純粋に信じ、また
司法府の独立を論じる時には
孤高かつ清廉な司法府を誇りにさえ思ってきたわけですが、
英米仏独の司法府観ってのはそれぞれ微妙にニュアンスは違うものの
「公務員だけど国家から独立してるから公平・中立だ」
という感じらしいんですよ。
よく勉強してないので浅薄な知識の聞きかじりで申し訳ないんですが、
いわれてみれば親方日の丸・憲法万歳・政治にも楯突きませんの
ノンポリ司法府よりも
やっぱり結構頑張ってくれちゃってる方が格好良いというか
あいまいなんですが、それっぽいような気がしてくるんですよね。

まぁ長くなっちゃったんでここらで終わりますが、
国家試験を突破して国家から選ばれて任官して
国家から金貰って、(最高裁という)上司の目を気にしている
裁判官から対国家の訴訟で勝訴判決ってのは
どう考えても出そうに無いなぁというのは
単純ながらもそりゃそうだってことを再確認した次第。

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新司法試験について

 新司法試験について法務省でも仮版というか
試案的なものの発表がありました。

 法務省HPへもUPされるそうで(もうされてるかも)
興味のある方はぜひ一読を。

 しかし試験時間が5時間というのは
人道的に問題があるような気がしてなりませんが
事務処理能力やら忍耐力を試すのには
丁度良い時間なのかもしれません。

 そういう試験じゃ困るんですけども。

 と、今後は現在の実際の法科大学院在学生に
β版をサンプルとして受験してもらい、
データを採って改良を加えていくというような方法で
新しい司法試験を作っていくとのこと。

 えっと、じゃあ今方向間違ってる法科大学院の
学生とかは一体どうしろと?的な方針な気がしますが、
あんまり皆問題とは考えてないようです。

 少なくとも僕は年100万以上を投げ捨てるなんざ
恐ろしくてできないと思いますが。
みんなブルジョアジーなのでしょうか。まぁいいや。

 とにもかくにも試験がまだできてないのに
試験のための大学院は発進してしまって、
目的地すら定かでない大学院も散見されるなかで
一番悲惨なのは受験生。

 何時の日も受難の道が待っているようです。

 自分で選んだ道だし、賭けてみるのが男道。
(女性には女性の女道があると思います。
あくまで自分が男なので
男道について考えてみた次第で。
女性蔑視とかじゃあありません、念のため。)

 ただアンテナ高く情報に耳を傾ける姿勢は必要かなと
思います。

 そういうところも含めて情報処理能力を判断しているとしたら
これほど陰険な試験もないでしょうけど。


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